スローイングテクニック

ディスクを水平に飛ばすには?

稀に最初から自然にできる人もいますが、ほとんどの皆さんはディスクを水平に飛ばす事に、日頃から苦心されていませんか?フラットな飛行姿勢を保ったまま、どこまでもまっすぐにディスクを飛ばすことができたら、どんなに楽しいことでしょう。
皆さんは常に水平に投げている"つもり"で練習をしていませんか?自分のイメージと実際の間には、往々にして誤差が生じ易いものです。ビデオに撮る、写真に収める、人にチェックしてもらうなど「客観視」することが非常に重要です。

腕が棒状になり"弧"を描きながら
ディスクを振り回していませんか?

この状況での問題点は、水平に飛ばすときに欠かせない「ディスクの回転力」の著しい低下を引き起こしている点です。
図1のように軌道が弧を描いているという事は、腕に(実は全身に)力が入っている証です。
肩、肘、手首、腕を構成するこれらの要素は、リリース(離す)の瞬間までリラックスさせておきたいもの。すべてはリリースの瞬間一点に集中させましょう。

図1

投げ出す瞬間のディスクの角度をチェック

人前述の通り、自分をよく観察する事が第一です。「ディスクの飛行姿勢」と「自分の感覚」とを常に比較しながら投げる事です。例えば『水平に投げているつもりが、ディスクは右へターンしていく』という人なら、リリース角度を予め左下がりに設定すると容易に解決するでしょう。観察することで客観的に自分の癖を知り、補うという方法なら気楽に取り入れる事ができるのではないでしょうか?ディスクは自分がどう投げたかを鏡のようにすべて映し出しています。

図2

ディスクの飛距離を伸ばすには?/スピード

ディスクの飛距離の伸ばし方の秘訣をお教えします!

ディスクを遠くに飛ばすためには、以下の3点に注意!

「ディスクをうんと遠くに飛ばしたいのに、なかなかうまくいかない。コツはないのかな?」そんな声をよく耳にします。ディスクをより遠くに投げられれば、楽しさも倍増。そこで、3回に分けて飛距離の伸ばし方をお教えしましょう。

カラダが無理な姿勢から戻ろうとする「反発力」を使うと、効率よくスピードが出せる!

人間が生み出せるスピードには、もちろん、限界があります。その究極は、カラダそのものが自然に持ち合わせている「反発力」です。
「反発力」とは、カラダが無理な姿勢から元に戻ろうとする力のこと。普通にまっすぐ立ったときは、両肩を結んだラインと、腰の左右両端を結んだラインはほぼ平行な位置関係にあります[図1-a]。
例えば、状態を左方向にねじったとします[図1-b]。腰は肩のラインを追いかけるようになるはずです。その瞬間、[図1-c]のように腰を少しだけ右にねじると、さらにねじれが大きくなろうとするので、右肩は「反発力」が生み出すスピードであっという間に元に戻ります[図1-d]。意図してつくり出すスピードよりも、カラダのつくりを利用したスピードの方が、無駄のない証明です。

ディスクの飛距離を伸ばすには?/タイミング

「ディスクをうんと遠くに飛ばしたいのに、なかなかうまくいかない。コツはないのかな?」。そんな声をよく耳にします。ディスクをより遠くに投げられれば、楽しさも倍増。そこで、3回に分けて飛距離の伸ばし方をお教えしましょう。今回は飛距離の伸ばし方(2)タイミングです。
「反発力」を利用してつくり出したスピードをディスクに効率よく伝える「タイミング」が重要です。

「慣性の法則」を利用したディスク運びと、タイミングをつかむ。

ひとつの例で一本のレールの上に滑車が載っていて、その上に箱が積んであります。走り出した滑車が序々にスピードをあげて、時速100kmに達した地点に設置されたストッパーで一気に止められたとしましょう。滑車は止まっても、箱は時速100kmで前に飛んでいきます。[図1]

図1

この原理をスローイングに当てはめて考えると、滑車がストッパーで止められた地点がまさにディスクをリリースする「手離す」タイミングといえます。高速でリリース・ポイントまで運ばれてきたディスクは、最終的に腕が伸びきることをストッパー代わりとして、前に進もうとする力「推進力」を得て、より遠くに飛んでいくことになります。では、そのポイントとはどこなのか?
「腕が伸びきる」ことをストッパー代わりにするわけですから、直線上を運んできた腕の先端(ディスクを握っている手先)が、その「直線上」からそれる瞬間が正にその時です。少しでもリリースが早い、逆に遅い場合も投げ出す時の初速ロスにつながってしまいます。実際の動作の中ではほんの一瞬なので、皆さんの個々の練習では「意識の目安」として少し早め(手前)にポイントを置いてみるなどの調節が必要かと思います。 「習うより慣れろ」です。しっかりイメージをして繰り返してみましょう。

ディスクの飛距離を伸ばすには?/アングル

スピードとタイミングをベストな状態にもっていけても、アングルが適切でなければ、ディスクはそのベストパフォーマンスを発揮することなく失速していきます。皆さんが普段使っているディスクのほとんどは、飛距離を出すことよりも、むしろ10〜20メートルくらいの近い距離で投げあって楽しむことを目的に作られています。それでは、どうしたら「飛距離」をアップさせることができるようになるのでしょう。

ディスクには、先頭部が下がりながら飛ぶ性質がある!

右利きのバックハンドスロー(カラダの左側から時計まわりで投げ出すテクニック)なら、回転の弱まってきたディスクは、左にゆるやかにターンしていきます。では、「完全に地面と平行に投げ出しているのに飛距離が伸びない。それどころか失速している」と感じたことはありませんか?それは、ディスクの持つ大きな特徴のひとつなのです。
[図1]を見てください。ディスクが地面と平行に飛んでいるとき、ディスクの先頭部分が徐々に下がりながら飛ぶ性質があるのです。そこで、投げ出す角度「アングル」を決定するのです。

図1

あらかじめ先頭部を上げた角度(ヘッドアップ・アングル)で投げ出します。そのとき、ヘッドアップのし過ぎに注意しましょう。およそ20度が最適な角度です。さらに図2のように、おなかの前に構えたディスクは、カラダから見て遠い側の端を最初から下げてリリースします。これでスピードとタイミングがピタッとあえば、今よりさらに10メートルのオーバードライブも夢ではありません!

図2

リズミカルなステップがグッドスローをサポート

ステップにはスローイングをよりリズミカルに、そしてリリース時のスピードをディスクに伝える「補助」の目的があります。闇雲な助走は、かえって逆効果になることも少なくありません。ステップを使わなくてもディスクを投げることはできます。
ステップを使いこなすことができるようになると、スムーズでスピーディーなリリースが可能となり、結果として飛距離も伸びるわけです。ステップを会得する上での最重要ポイントは「リズム」だということを頭に入れておきましょう。

ステップとディスク・コントロールの関係

ステップを踏み出す方向と、ディスクが飛んでいく方向が密接に関係していることは言うまでもありません。テイクバックから直線でディスクをリリースすることができれば、前足を踏み出す向きによって、飛ばしたい方向をかなりの精度でコントロールすることができます。

ディスクには、先頭部が下がりながら飛ぶ性質がある!

下図を見て下さい。(右利きバックハンド・スローの場合)
まず、飛ばしたい方向に対して真横を向き、両足はそろえた状態でディスクを構えましょう。
あせりは禁物です。最初はひとつひとつ確認をしながら、じっくり取り組みましょう。

  • 肩のラインは真横のまま、右足を一歩踏み出す。
  • 右足の後ろをクロスして左足を前に踏み出す。
  • 右足を再度前に踏み出す。

次に、1.2.3を始めのうちはディスクを持たずに練習をしてみましょう。自然に足を運べるようになるまで繰り返し練習をして下さい。慣れてきたら実際にディスクを持って、テイクバック(振りかぶった状態)からリリースまで、ステップを交えた一連の流れでトライしてみましょう。
あせりは禁物です。最初はひとつひとつ確認をしながら、じっくり取り組みましょう。